











※このページは、岡垣町の子ども達が生産者さんを取材して作った原稿・写真を元に編集しています。
※単品での販売は行っておりません。単品でのご購入は「やっぱぁ~岡垣」様にてお願いいたします。
びわ農家三代目の早苗泰博さんは、優しい跡取り息子さん、箱詰めや発送を担当される明るい奥様と、福岡県で最も生産量の多い岡垣町のびわの生産を大切に見守り育てられています。
口に入れたとたんに果汁のあふれ出す、ジューシーな夏の味覚、岡垣町の特産品である「高倉びわ」には120年以上の歴史があり、茂木、つぐも、湯川、田中などの品種があり、それぞれに収穫時期や味が異なります。
海沿いの岡垣町は、ビワの生産に大変適した地域で、3月中旬ごろから6月一杯まで楽しめるのですが、今年は例年より1週間、生育が早いそうです。なので、今年のビワは6月中旬には終わりの時期となります。
最近は、玉が大きく実がきれいで糖度の高い「夏だより」やたまご型の「春だより」など、新しい品種が出てきました。以前は岡垣町に150人いたビワの生産者さんも今では35人まで減り、「夏だより」を育てる農家はとても少ないそうです。早苗さんは「夏だより」の栽培を始められたので、2ー3年後には新しい品種を楽しむことができるかもしれません。
ビワの生育はとても変わっていて、秋に花をつけ、小さな実で越冬し、春に実を大きくし、夏に収穫します。枝一本ずつに、実を3つ残して摘果し、袋掛けをします。種の数で実の大きさが決まるので、良い実を残して摘果するには長年の経験が必要な難しい作業だそうです。
また、マイナス3度を下回ると、せっかく育った実が枯れてしまうため、収穫量が減ってしまいます。
美味しいびわを育てるには、気候条件はもちろんですが、手間のかかる一つ一つの作業をしっかりやることが大切で、そんなびわができたときが、何よりうれしい、と早苗さんは言います。
樹にのぼり、一つ一つ手で丁寧に収穫したびわは、奥様によって3つの等級に選別されます。高級びわは予約がいっぱいで、遠くは北海道からも注文がくるとか。遠方への発送の場合は、ビワが痛まないように丁寧に梱包しています。今年は、フルーツパーラーからケーキ用の注文もあり、あっという間に売り切れてしまったそうです。
ハウス栽培の高級びわは、水やりの量を調整できますが、路地栽培の場合は味も収穫量も天候次第とのこと。でもシミがついた等級の低いびわも日光をたくさん浴びているので、実はとっても美味しいそうです。
そのまま丸かじりが最高に美味しいびわですが、丁寧に皮をむき、すぐ変色するので塩水につけてから、砂糖と煮込んだコンフィチュールは、ごろごろ果肉が入っていて、ジャムのように召し上がっていただけるようビンに詰めて販売しています。
ゴワゴワした分厚い葉を選んで剪定し、裁断し、乾燥させ、焙煎してから熟成させると、びわの葉茶になります。まろやかで飲みやすいだけじゃなく、ノンカフェインで牛乳の18倍のカルシウムをはじめ、さまざまな栄養が含まれています。
早苗さんは、岡垣町の直売所「やっぱぁ~岡垣」の運営もされています。「やっぱぁ~岡垣」には、毎朝地域の生産者さんが心を込めて育てた野菜や果物、加工品を出荷しにやってきます。生産者さんは事務所のラベル印刷機を使って値札を作り、委託販売をされています。
「やっぱぁ~岡垣」さんでは、近くにスーパーのない地域のお年寄りを支えるために、8年前から移動販売車の運営もされています。平日毎朝、野菜や肉、魚を冷蔵車に乗せて地域をまわっています。最近は利用者が減って経営は大変ですが、買い物に行けない方々のためにがんばっています。
地域の方々に、地域の生産者さんを知っていただき、地域の野菜や果物を美味しく召し上がってほしい、それが早苗さんご一家の願いです。飼い猫「モフ」ちゃんのイラストの描かれたご夫婦おそろいのTシャツが、とってもお似合いでした^^